“最後の日本公演”…イーグルス、今秋5大ドームツアー

 1970年代の米ロックを代表するグループ、イーグルスが今秋、9年ぶり3度目の来日公演を行う。10月24日の札幌ドームを皮切りに初の5大ドームツアーに臨むもので、「イーグルス フェアウェル・ツアー1」と銘打つなど、「最後の日本公演」となりそうな気配も。ドラムのドン・ヘンリー(56)は「大好きな日本のファンの前で、熱いステージをみせるよ!」と気合十分だ。

 イーグルスが来日するのは昭和54年、平成7年に次いで3回目。今回は「−フェアウェル・ツアー1」としていることから、「最後の日本公演」ともうわさされている。10月24日の札幌から11月7日のナゴヤまで東京、大阪、福岡の各ドームで6公演を行う。

 同グループは昨年6月から今年5月まで、米で「フェアウェル(さよなら)1」を展開。「さよなら」と明記するのは、彼ら一流のジョークと見る向きもあるが、はたしてどうか。メンバーの平均年齢(56歳)を考えると、大規模なツアーは難しそうだ。

 日本公演がラストとすると、注目されるのは76年に発表された大ヒット曲「ホテル・カリフォルニア」が何曲目に歌われるかということだ。

 平成7年に来日した際には、オープニングでいきなり「ホテカル」を熱唱。開演が午後6時前後と早めの設定だったため、ファンの大半を占めたサラリーマン層は聞き逃した人も多く「ホテカル聞かせろ!」と大ブーイングが起きたほど。先に行われた米ツアーで、同曲はコンサート終盤で演奏されている。関係者は「曲順は米ツアーとほぼ変わらないはず」としており、“トラブル”は回避されそう。心ゆくまで代表曲に浸れそうだ。

 このほか、米ツアーの曲目リストにはデビュー曲「テイク・イット・イージー」から全米1位の「呪われた夜」「ニュー・キッド・イン・タウン」、昨年発表した「ホール・イン・ザ・ワールド」までヒット曲がズラリ。ソロも含めて約30曲、3時間の構成で、満足度120%のライブだ。

 現在、ソロで全米ツアー中のドラム、ドン・ヘイリーは「9年前のことは覚えてないよ」と“トラブル”を一笑に伏しているが、日本のファンには「アーティストをリスペクト(尊敬)してくれるし、音楽をよく聞いている。すごく楽しみにしているよ」と好印象を抱いている。「最高の演奏で、いい音楽をプレーするよ」と“さよなら”にふさわしいステージを約束した。イーグルスは日本ツアー後、豪州、欧州公演を行う予定。

★“ならず者”ブーム

 73年に発表された「DESPERADO(ならず者)」が、今、日本でブームだ。約500万人を動員中の話題の映画「世界の中心で、愛をさけぶ」の主題歌「瞳を閉じて」を歌う平井堅(32)がカップリング曲に選んだのが同曲。また、今年のモスクワ国際映画祭の新人監督部門最優秀賞を受賞した「ホテルビーナス」(タカハタ秀太監督)の劇中歌として女性歌手、KOKIA(27)がカバーしている。カントリー調の哀愁漂う作品で30年が経った今、若者世代にも浸透中。同曲はコンサートのラストで演奏される予定で、世代を超えた感動を呼びそうだ。(サンケイスポーツ